【上級者向け】上級者に起こりがちな愛着による問題について考える

語学の話

ゼロから外国語を始めて上級レベルまで到達する頃には、その言語への愛着も当然あると思います。それ自体は自然なことなのですが、行き過ぎるとトラブルの元になることもあります。今回はその問題について考えます。

 
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学習者の学習言語への感情とその影響

外国語を学習する人は、だいたい2つのタイプに分けることが出来ると思います。1つは、外国語をツールとして割り切って考えているタイプ。もう1つは、その言語が話されている国の文化などに強い憧れがあるタイプです。

前者の代表的な例は、受験や就活などで必要だから英語を学んでいる人だと思います。英語の能力は必要だけど、特にイギリスやアメリカ文化に興味はないみたいな感じです。

後者の代表的な例は、日本の伝統文化やポップカルチャーなどに強い憧れがある日本びいきの外国人にわかりやすく見られると思います。日本人でも熱心なインド好きとか、とにかくロシアが好きとかそういう人がときどきいますよね?

最近の研究によると、その言語圏の文化などに強い憧れや、自分をそこに同一化させたい願望があるほうが外国語の学習効率が上がることが明らかになっています。

今までの自分の努力とその憧れが結びつく

ゼロから外国語を学び始めて上級レベルまで到達したころには、自負というか誇りというかそんな感情が出てきやすいです。そこにその文化への憧れやその文化の一員に自分もなりたいみたいな感情が結びついてくると、けっこう問題が出てきます。

つまり、その文化やそこの人々・言語と自分を同一化して考えるような錯覚が起こります。

私自身も、一時期そういう状況に陥りました。私はタイ語を勉強していたのですが、その時期はかなり極端なタイびいきになってました。

感情的なトラブルを招く恐れが・・・

非常に恥ずかしい話なのですが、私の実例を紹介します。私が某大型商業施設で働いていた頃のことです。まさにその時期に、私はタイ文化やタイ語と自分を同一化する罠にはまっていました。

ある日、タイ人の買い物客がたくさん来ていました。その日はタイ語で対応できるのは私だけした。そんなわけで私は熱心に接客をして、大忙しです。当時は英語が苦手なタイの方も多くて、私以外の同僚はかなり接客に苦戦していました。

意思疎通がなかなかうまくいかないストレスからか、同僚の中国人の人が、タイの買い物客の悪口を言っていたのです。それを耳にした私は、急にすごく強い怒りが湧いてきました。それでその同僚と激しい口論になってしまいました。

人間は自分の大切にしているものを、非難されたり馬鹿にされると怒りを覚えるものです。しかし同一化の罠にはまっているとかなり怒りが増幅されます。私は普段はあまり感情が乱れないタイプなのですが、この時はまさに激怒といった感じでした。

今はかなり反省しています。当時のその同僚へこの場を借りて謝罪いたします。大変ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。

自分の心を見つめて、適度な距離感を掴む

その事件の後、かなり時間がたってからやっと私は自分に起きていた現象を理解しました。そして自分なりの適度な距離感をタイ語に置くことが出来るようになりました。

ある外国の文化に憧れてその言語を学び始めた人なら、誰でも陥る可能性のある問題だと私は思います。さらに熱心に学習すればするほど、そのリスクは上がります。

確かに中級のレベルくらいまでなら、全く問題はありません。むしろ学習を促進してくれます。しかし上級レベルまで来たら、一度自分の心を見つめ直す必要が出てくると思います。

どうすれば予防できるか?

まずはこういう現象があるということを、知っておく必要があると思います。頭の片隅にこの内容が入っていれば、いざという時に冷静になれると思います。

憧れの対象を分散させるのも、かなり効果的だと思います。具体的には、もう一つ興味のある言語の学習を始めてみるなどです。学習言語が2つになると、相対的に見る視点を確保できるので、過度に心が集中するのを防いでくれます。

私自身もベトナム語の学習を始めています。以前よりもタイ語へ注ぐパワーは当然落ちますが、心のバランスはかなり安定していると思います。

今回は上級者に起こりがちな、学習言語への愛着が引き起こす問題について紹介しました。私のような失敗をしなくてもすむように、参考にしていただければと思います。

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